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「病は気から」と鍼灸(R7年7月16日)

先日、ウェブサイトを閲覧していたら、国内最高齢男性へのインタビュー記事が目に留まりました。その中に「長寿の秘訣は何事もくよくよしないこと、ストレスをためないこと」とありました。

昔から「病は気から」ともいわれてきました。これも同じような意味合いです。実際、精神的ストレスが原因で胃が痛くなったり、お腹が下ったりすることは多くの方が経験されていることだと思います。また、病気にかかってもポジティブ思考で、治療に前向きな姿勢の患者さんは回復が早いこともよく知られています。

最近では、ストレスが免疫力を低下させることが科学的にも証明されており、科学論文を検索するとネズミを用いた実験からヒトを対象とした疫学調査まで国内外の多くの論文がヒットしてきます。

ストレスを受けると自律神経のうちの交感神経が亢進し、もう片方の副交感神経とのバランスがくずれます。自律神経は、白血球やリンパ球といった、病原体から体を守る免疫細胞の働きにもかかわっていますので、バランスがくずれることで免疫力が弱まります。

一方、東洋医学では気は体の重要な構成要素の一つで、生命活動のエネルギーと考えられています。気が消耗したり、滞ると身体は病気の方向へ傾くとされています。冒頭の「くよくよしないこと」は「気を滅入らせないこと」と言いかえることができます。

鍼灸は、ツボを刺激して気を補ったり、気のめぐりをよくすることなどで、自律神経のバランスを整えることができます。現代医学でもうまく対処できないような不定愁訴にも鍼灸治療が有効なのはこのためと考えられます。

梅雨入り、熱中症に注意(R7年6月17日)

全国的に梅雨入りしました。気温の上昇に加えて、むしむしと湿度が高い日が続きます。この時期は真夏ほど気温は上がりませんが、湿度が高いために汗が蒸発しにくく、体に熱がこもって熱中症にかかりやすくなります。このような熱中症を“梅雨型熱中症”といいます。

また、この時期はまだ体が熱さに慣れてなく、汗をかく体になりきってないことも熱中症にかかりやすい一因といえます。体温を調節する体の働きは歳をとるとだんだんと低下してきますので、高齢者は特に注意が必要です。

気温がそれほど高くないとつい気に留めないこともありますが、じわじわと脱水が起こって気づいた時には重度の脱水症状ということもあり得ます。こまめな水分補給と適切なエアコンの使用を心がけましょう。

一方、東洋医学(漢方)では“食養生”という考え方があります。これは、食材の性質や効能を活かし、食事を通して病気の予防や健康増進を図るというものです。蒸し暑いこの時期にはかき氷もいいですが、体の余分な熱をとってくれる夏野菜や熱帯原産の果物、特に利尿効果があるキュウリやスイカ、ニガウリなどを食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

風邪(かぜ)が5類感染症になりました(R7年6月2日)

長年、感染症対策にかかわってきたので、つい気になりました。

令和7年4月7日より、感染症法の5類感染症に急性呼吸器感染症(ARI)が加わりました。急性呼吸器感染症とは、感染症による急性の上気道炎(鼻炎、咽頭炎、中耳炎など)や下気道炎(気管支炎、肺炎など)のことですが、この中には普通感冒(いわゆる風邪)も含まれます。

急性呼吸器感染症は、咳やくしゃみなどで周りの人にうつりやすいのが特徴です。新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえて、このような感染症の流行を把握することや未知の呼吸器感染症が発生した場合に迅速に探知することができるように5類感染症に位置づけられることになりました。

昔から「風邪は万病のもと」といわれてます。ただの風邪と思っても、もしかすると重篤な病気が隠れているかもしれません。また、軽い鼻かぜでも長引くとせき喘息に移行したり、高齢者施設内で感染が広がると肺炎患者が出たりします。「たかが風邪」とは考えずにしっかり対応したいものです。先ずは、日ごろから養生して風邪をひかない体づくりを心がけましょう。

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